建設現場では多くのトラックや重機が稼働し,工場においてもフォークリフトが稼働しているので,轢過事故が起こることも少なくありません。
轢過事故の特徴として,①他の従業員の落ち度が原因になっていることが多いことが挙げられます。この場合,直接の雇用者や元請け業者に対して,民法715条1項の使用者責任を追及していくことになります。また,踏み抜け事故では,足を骨折したり,切断を余儀なくされるケースもままあり,慰謝料や逸失利益を含めた損害額で大きく争われるが多いです(「(4)挟まれ・巻き込まれ」を参照…「(4)挟まれ・巻き込まれ」の頁に飛ぶ)。 また,②車両に起因する事故であり,交通事故としての側面も併せて持っていることも特徴です。そのため,相手方の自動車保険から支払いを受けることも可能です。しかし,被害者(労働者)にも過失がある場合,労災保険を適用した方が有利な賠償額の計算ができる場合等もあり,いずれを選択すべきかは,法律の専門家である弁護士の判断を仰ぐべきだといえます。
なお,他の類型同様に,使用者側への安全配慮義務違反に基づく損害賠償責任(「安全配慮義務違反に基づく損害賠償」の頁に飛ぶ)を追及することも可能であり,概ね以下のような事情を考慮し,安全配慮義務違反があったかどうかが判断されることになります。
- 立ち入り禁止区域の指定やその周知等の措置を行なっていたか
- 機械操縦者に対する安全教育や管理を行なっていたか
- 監視員を配置していたか,配置は十分だったのか
上述のとおり,轢過事故の場合は,他の従業員のミスによって事故が発生する可能性が高く,他の従業員の過失や事業の執行に関連する事実を適切に主張・立証できるかポイントになります。また,過失相殺の反論がなされるのが一般的ですので,適切なディフェンスをしなければ賠償額が大きく下がることにもなりかねません。そのため,轢過事故に遭われた場合,弁護士に依頼して,適切な賠償額を獲得していくことがベストです。
弁護士法人グレイスでは,労災保険申請の段階から使用者側への損害賠償請求まで一括してサポートをさせていただくことが可能です。また,年間150件以上の交通事故事件やその他の傷害事故を解決するに至っており,医学的知見が豊富な弁護士や事務スタッフが揃っておりますので,より高度な後遺障害認定を獲得することが期待できます。
鹿児島県やその近隣の県にお住まいで労災被害に遭われた方,一人で悩まず,是非とも弁護士法人グレイスにご相談下さい。我々と一緒に,最善の解決策を模索しましょう。